ピーターパン・バリ文庫について |
- VII. 日本で出版されたBarrieの作品,研究書,翻訳書
書名 |
ページ |
出版年 |
Quality street ; The admirable Crichton ; & Mary Rose / by James Matthew Barrie; with introduction and notes by T. Sawamura
【注】標準3作の全文と詳細な注釈.Intorduction詳細入念で価値が高い |
xxvi,458p. |
1928.6 |
ピータァ・パン / ヂェイ・エム・バリ作 ; 本多顕彰訳(岩波文庫)
【注】Peter Pan in Kensington Gardens の全訳 |
117p. |
1938(第8刷) |
J.M.Barrrie / 阿部孝著
【注】日本で唯一といっていいBarrieの伝記だが,発行年にはBarrieはまだ生きていた(本書発行の2年後に死去)ので,最後の部分は不完全。なお,著者も認めているように本書の内容はほとんどが J.A.Hammerton著
Barrie, The Story of a Geninus (1929)の抄訳に近い。 |
179p. |
1935 |
The Twelve-pound look / by James Matthew Barrie ; with introduction and notes by T. Sawamura. -- 上装クロース製
【注】Barrieの簡単な紹介と標題作の全文及びMargaret Ogilvyの第3章とそれらの語句の訳語と簡単だが要を得た解説から成る全62ページの小冊子 |
iv, 62 p. |
1930 |
The will ; and, A well-remembered voice / by J.M. Barrie ; with introduction and notes by E. Nagasawa -- 上装クロース製
【注】標題2作の全文とかなりの数の語句の解説及び和訳。Barrieの紹介を上記の澤村によるそれと照合するのも興味深い。 |
vi, 90 p. |
1930 |
近代英文學鑑賞 / 澤村寅二郎著
【注】Thomas Hardy, Joseph Conrad, John Galsworthy, Samuel Butler, Arnold
Bennett, Hugh Walpole, J.M.Barrie, A..C.Brodley の8名の作家による12編の作品の全訳及び注釈から成る408ページと,著者による評論12編170ページとから成る大著。BarrieについてはThe
willの全訳が示されている。 |
682 p. |
1929 |
妻は知る : 喜劇 / ヂェイ、エム、バリ作 ; 澤村寅二郎譯
【注】Barrieの3幕物 What Every Woman Knows の全文と注釈を横組みで,全訳を縦組みで,いわゆる”奥付け”を両者の中間に挟んだ珍しい構成になっている。著者澤村教授は当時の Barrie研究では長澤教授とならんで日本での第一人者。2冊のうち1冊の横組み部分見返しには C. Kubota なる所有者の Jan. 27, 1945 の Instcription, 他の一冊のやはり同じ見返しに著者より長澤教授への献呈辞が英文で記されている。 |
2, 6, 179, 160p |
1926 |
英國の現代劇 / 藤井秋夫著
【注】19世紀の英国の劇作家12名についてそれぞれの代表作を挙げつつ,作風その他を評論的に述べたもの。Barrieは既に”元老作家”の部に入れられて260ページのうち21ページを当てられている。ただし,その所論は必ずしも肯綮に中たるものとはいえないし,英文の解釈にも首を傾げたくなる部分がある。 |
8,272,17p |
1926 |
英文學研究 Vol.VI, No.2
【注】Studies in English Literature と副題が付されているように,英文学に関する Quarterly Review で,論説,批評紹介,雑録の3部から成っている。その論説の部の長澤英一郎氏の”劇作家としての Barrie"と題する26ページの論文では, Walker, London; Quality Street; The Admirable Crichton; Peter Pan; What Every Woman Knows; Dear Brutus; Mary Rose など Barrie の主要な作品のほか一幕物も紹介されている。 |
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July 1926 |
Peter Pan / by James M. Barrie ; with translation and notes by S. Ishii
【注】Barrie の Peter Pan in Kensington Gardens の完訳としてはおそらく日本でも初期に属するものだろう。訳文は生硬で直訳的であり,文学作品としての鑑賞にはたえるまいが,註釈には参考になるところが多く,当時(昭和2年)の学者の学識の深さを感じさせる。挟み込まれた宣伝用チラシの類にも興味深いものがある。 |
3, 209 p. |
1927 |
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