国立大学法人弘前大学附属図書館主催
第2回 弘前大学学生『言語力』大賞 コンテスト受賞作品
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第2回弘前大学「言語力」大賞コンテストの大賞,優秀賞,佳作は次の作品です。
(応募があった部門・テーマI(文学作品部門)のみの作品。学年は受賞時の学年)
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○大 賞 |
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早坂 美春(人文学部1年) 「葬式パレード」 |
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『言語力』大賞コンテスト実行委員会委員講評 |
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タイトルが印象的。冒頭の文章が美しく、丁寧な描写と表現の巧みさで文体も読みやすい。また情景が浮かびやすく感情移入できる。 難点として、次の指摘があった。ストーリーの展開はやや平凡に思える。文章が少しくどく、説明的になりすぎているところがある。状況設定にやや難がある。例えば、妻子の葬儀の翌々日に出勤している、チロチロと赤い舌がのぞくは、トカゲかヘビではないか、出産時の失血で母子ともに亡くなるのは不自然である、など。 |
○優秀賞 |
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澤岡 結(人文学部4年) 「ぼくの、愛すべき家族へ。」 |
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『言語力』大賞コンテスト実行委員会委員講評 |
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日常のことを日記風に描いている。文章は読みやすい。このような文章は単調になりやすいが、章ごとに家族4人の異なった視点と思いを描いているのは効果的でさわやか。家族のそれぞれの年代、性別がもう少し明確になるように、各章の文体を工夫するとよくなる。 |
○佳作 |
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若林 由来(人文学部4年) 「なつ、みどり。」 |
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『言語力』大賞コンテスト実行委員会委員講評 |
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むすめと父親の情愛がよく描かれている。描写をもうすこし工夫するとさらに生き生きとした情景が目に浮かぶと思う。 |
○佳作 |
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洞口 拓(農学生命科学部3年) 「違った視点」 |
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『言語力』大賞コンテスト実行委員会委員講評 |
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他の応募作品と比較して、趣向の違う作品構成だった点が新鮮。有名なシンデレラというおとぎ話の裏には、実は全く別の物語があったというオチもわかりやすい。物事は多面的であるとの
人生訓として受け取ることもできようが、ロマンチックな夢物語作品のパロデイーとして、遺産相続や浮気など、現実社会の生々しさを持ち込みながらも、冷静に淡々と話が展開し、
ユーモアと皮肉のバランス感覚が心地よい。ことば遣いも巧みで、農学生命科学部生物機能科にこうした文学センスある学生が存在することは喜びであり誇りである。 |
○佳作 |
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三浦 南(人文学部1年) 「夏の地蔵」 |
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『言語力』大賞コンテスト実行委員会委員講評 |
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内容に大きな破綻もなく、綺麗にまとまっています。供え物がされた地蔵と語り手の間にどのような関係があるのか、徐々に明らかになっていくわけですが、それだけで終わっているとも言えます。
過去だけでなく、現在においても何かの事件を盛り込むなどすれば、より印象的な作品になったのではないでしょうか。双子と記憶喪失の設定は効果的に使われていて、良いと思いました。規定の字数を多少オーバーしているようですが、終盤の翌年部分は、なくてもいいように思います。 |
○佳作 |
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渡部 知也(教育学部4年) 「夏のつがい」 |
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『言語力』大賞コンテスト実行委員会委員講評 |
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「落ちねらい」の作品である。同様に「落ち」をねらった作品が他にも複数あったが、その中では最も出来栄えがよかった。最後付近まで落ちが分からず、読者を引っ張る筆力がある。
一方で、「中間部は抽象的過ぎる」「擬人化には無理がある」「話のつながりがよくつかめない」等の意見もあった。筆者は前回も佳作に入賞している。これからもいい文章を読み、書いてもらいたい。今後に一層の期待を寄せるものである。 |
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