豊泉

THE HIROSAKI UNIVERSITY LIBRARY BULLETIN
弘前大学附属図書館報  Print ISSN 0919-8563

No.13 1998.3 Page 1



新入生を迎えて

附属図書館長  内 田 健 吾

 今年は新しく理工学部と農学生命科学部が発足して始めての学生を迎え,人文学部も3課程制になって最初の学生を迎えました。これから教職員,学生,皆で頑張って素晴らしい学部を作っていきたいものです。また,教育学部は例年より狭き門でしたから合格した喜びは大きかったと思います。
 大学に入った日的は様々でしようし,漠然と入学した人もいるでしようが,これから充実した大学生活を過ごして行けばそれでよいのです。大学が高校と大きく違うのは何事も自分から積極的にやって行かなければならないということと,勉学も生活も,自分で自分をコントロールしていかねば大変なことになるということです。大学は5年,10年又はその先を見た教育をしています。実社会ですぐ役立つものより,むしろ将来その時代に対応し,常に進歩,発展を求めていける人,創造性を大事にしていける人を作ろうとしています。大学に入ったら遊べると言われていたかも知れません。でも,それでは未来の日本が大変なことになるのです。そして一番困るのはこれからの世代の人達なのです。近年の日本は進歩が鈍っているように見えますが,これを打開してゆくには,若い学生の努力しかないと言えます。ですから,これからしっかり勉強して,将来の日本を,世界を担って欲しいのです。そうでないと皆さんが困るからです。
 また”勉強しろ”なんて,だまされたと思うかもしれません。でも,講義は年間たった30週,5日制。講義のあるときぐらいは真面目にやりましょう。一方,年間6割程が休みですから,その余暇の過ごし方も大切です。その時間を友達を作って遊ぶもよし,サークル活動をするもよし,しかし,何と言っても,深くそして幅広い勉学が必要なのです。それには,先ず読書の楽しさを覚えましよう。とにかく大いに本を読みましよう。最近,読書の面白さを知らない学生が多いのですが,せめて大学にいるうちに,その面白さ,楽しさをわかって欲しいのです。今はいろいろな情報媒体(メディア)もありますが,とにかく図書館を利用しましよう。弘大には高校に比べたら格段に整った図書館があります。ここ2,3年でカーペットを敷き,椅子もカーテンもきれいにし環境も整って来ました。大いに利用して楽しんでください。そして少しでも自分を高めて卒業して行って欲しいと切に思っています。

うちだ・けんご 理工学部 教授)



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