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弘前大学附属図書館貴重資料
太宰治自筆ノート

平成27年3月6日更新
「太宰治自筆ノート」の利用について
資料の劣化が激しいため,現物の利用はできません。
  

   太宰治自筆ノート
点数:2点 写真・解説:青森県近代文学館編『太宰治・旧制弘高時代ノート「英語」「修身」』(青森県近代文学館 , 2008)
太宰治自筆ノート <概 要>(平成21年[2009]11月17日 貴重資料指定)
 平成21年(2009)9月,本学では,小野正俊氏(神奈川県逗子市在住。著名な郷土文学研究家小野正文氏のご子息)から,表記の資料の寄贈を受けた。正文氏がノートを所蔵していたが,死去後,正俊氏から本学附属図書館で収蔵するのが保管と活用の面で最適であろうとのご判断をいただき,寄贈を受けた次第である。
  内容は,昭和2年(1927)に官立弘前高等学校に入学した太宰が,第1年次の英語と第2年次の修身の講義を,書き留めた自筆の大学ノートである。
  英語のノートは,表紙に弘前高校の校章がすり込まれ,裏表紙に「今泉本店特製」との表記が見えるので,弘前高等学校生徒用に同本店で調製されたのであろう。ノートには,文学作品の現代語訳が記されているので,第1年次の英語でも「読方読解」の授業の時のものと推測される。ノートは途中まで記された後,最後から天地逆に再び使用されており,途中,中断している。なかには,実に多くの落書きがあり,その大半は人物画と英語・日本語による自己の署名などである。
  修身ノートは,今泉本店製ではなく,「神書店製」と表記されている。内容は,「吾人ノ国家観及ビ吾国体」「国家ト個人ナラビニ愛国心」など4章から構成されており,微温的な国体論を展開する内容になっている。ノートは38ページまで使用されており,あとは白紙で,終わりの部分には7ページにわたる落書きがある。英語同様,表紙,裏表紙,表見返し,裏見返しにも落書きがあり,なかには自画像とおぼしき人物画も認められる。
  2冊のノートは,『資料集 第5輯 太宰治・旧制弘高時代ノート 「英語」「修身」』(青森県近代文学館 平成20年3月刊)と題して,写真版が刊行されており,東京大学教授の安藤宏氏による解説が付されている。詳細は,同書を参照されたい。
  本資料は,太宰治自筆ノートという稀少性だけでなく,昭和初期の高等教育機関であった官立高等学校において,どのような教育がなされていたのかを研究する上でも貴重な価値を有する。また,当時の文部省の高等教育に関する方針や,現場の教員の思想,教育の姿勢などを考察するのに資する資料である。
 (附属図書館長 長谷川成一)
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