図書館報「豊泉」TopNo.22目次arrow 前ページ次ページ arrow


大学図書館職員長期研修を終えて

附属図書館医学部分館  中 條 将 喜

 去る7月9日から27日迄行われた本年の大学図書館職員長期研修は,中央省庁再編により文部科学省になって初めてのもので,私にとっては21世紀最初の記念すべき…? 研修に参加させていただきました。この研修の目的は,「大学図書館の管理・運営や学術情報に関する最新の知識を学び,図書館職員の資質や能力の向上を図ることにより,大学図書館の運営やサービス体制の充実を図る」ことです。この研修には,北海道から鹿児島県までの国公私立大学及び大学共同機関(28国立大学,1大学共同機関,1公立大学,2私立大学)から,男性15名,女性18名の計33名が参加しました。
 当然のことに初対面の方ばかりなので,受講生の名前と大学名が一致するまでに,かなりの時間を要しました。受講生同志は研修という緊張もあってか,最初は話しができない状態でしたが,徐々に休憩時間や講義の後などに出身地の話しなどを交えて自己紹介をしたり,また,各所属図書館の状況や業務についての情報交換をするようになり,少しは緊張がほぐれてきました。
 最初の1週間は東京大学附属図書館が主な会場でした。第2週目は筑波地区に会場を移し,受講生の大部分は筑波研修センターに宿泊しながら筑波大学及び図書館情報大学で研修が行われました。
 ここでの1週間は,お互いに交流を深めるのにとても良い機会となり,夜遅くまで受講生同士のつきない話しや業務についての情報交換が行われ,多くの仲間をつくることができました。
 第3週目は再び東京に戻り,学術総合センターを中心に講義等が行われましたが,北海道生れ北海道育ちの私は経験したことのない通勤ラッシュの洗礼と梅雨明けの本格的な暑さに最初は不安でした。
 講義は,@大学図書館の管理・運営,A大学改革と図書館,B電子図書館的機能の整備とその推進C電子的資料の導入,D国立情報学研究所の活動,E多様化する情報サービス,F社会の変革と大学図書館,これら7つのテーマについて幅広く実習・施設見学なども交えて行われました。
 東京会場でのグループ討議は4班に分れ,各班が「電子ジャーナル導入への対応」と「管理職の役割について」の2題について討議をしましたが,各大学附属図書館の現状や裏話など,いろいろ苦労話が出されたりして本題をまとめるのが難しかったのですが,最終日の発表までにはどうにかまとめあげることができ一安心しました。
 これらの講義は,図書館を取り巻く環境の変化などを改めて考え直す良い機会となり,大変有意義なものでした。日常業務の中では経験することの少ない電子出版,経営(マーケティング)論,図書館建築などの学習の成果もこれから仕事をしていく中で最大限生かし,図書館サービスの充実に役立てていきたいと思っております。

(なかじょう・まさき 資料サービス係長)


弘前大学附属図書館 Hirosaki University Library