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加藤謙一文庫タイトル
 
   文庫概要
  加藤謙一は,本学の前身の一つである青森県師範学校の卒業生で,戦前・戦後を通じて「少年の健全育成」を目的とした少年向け雑誌の編集に一生を捧げ,また,戦後を代表する多くの著名な漫画家を育て,今日の漫画文化の礎を築きました。
  この文庫は,彼が関わってきた「少年倶楽部」「野球少年」「漫画少年」の原本又は復刻版と手塚治虫,寺田ヒロオ,石ノ森章太郎など彼が育てた著名な漫画家の関連資料からなる413冊の文庫です。1920年代から1950年代にかけての少年雑誌の変遷を俯瞰する上でも貴重な資料です。 資料の多くは,加藤謙一氏の四男の加藤丈夫氏の寄贈によるものです。(2010年9月7日設置)
  2015・16年,加藤謙一の教え子より寄贈された資料を追加しました。(文庫冊数:2020年6月現在)

   加藤謙一(かとう けんいち)【1896-1975】
  1896年(明治29)青森県弘前市生まれ。
  青森県立弘前中学校(現県立弘前高等学校)を経て1916年(大正6)青森県師範学校(現弘前大学教育学部)に入学。1917年(大正6)に同校を卒業し,市内の富田尋常小学校(現弘前市立大成小学校)に奉職した。在職中に作った学級誌「なかよし」を生徒たちが喜ぶのを見て「この喜びを全国の子どもたちに広めたい」との思いが強まり,職を辞して上京。1921年(大正10)に講談社に入社,『現代』編集部に入る。翌年『少年倶楽部』の編集長に抜擢され,次々と新機軸を出して『少年倶楽部』の発行部数をのばす。新聞小説の雄・佐藤紅緑に依頼し,「あゝ玉杯に花うけて」を連載,ほか「少年讃歌」など7編の大作を書かせた。また,吉川英治,大佛次郎などの小説や田河水泡の漫画など各方面の作家を動員し「少年倶楽部」を45万部発行の雑誌に発展させた。更には,漫画・挿絵・付録と愛読者の心をつかみ,1932年(昭和7)まで編集長として「少年倶楽部」を支えた。
  その後,『講談社の絵本』の編集長に転じ,1945年(昭和20),講談社取締役に就任したが,太平洋戦争の終結に伴い退社。
  戦後は雑誌『「野球少年』の企画に携わった後,1948年(昭和23),自ら学童社を興し,雑誌『漫画少年』を創刊した。同誌において,新人の発掘と育成に力を入れ,手塚治虫をはじめ,寺田ヒロオ,藤子不二雄,赤塚不二夫,石ノ森章太郎,松本零士など日本を代表する漫画家たちを世に送り出した。